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日本メックスの安全の取り組みについて
-秩父市役所 秩父消防本部との危機管理の取り組み-

お知らせ2025年2月27日

日本メックスが実施する秩父市役所の維持管理案件における「最悪の事態を想定した危機管理の取り組み」について概要をお知らせします。安全に携わる皆様の参考になれば幸いです。

  • 当社が行っている秩父市役所の維持管理業務では、ガラス清掃等の高所作業が多いため、2021年より「高所作業等の事故防止に向けた改善」(リスク管理)を開始し、3年間で計15箇所の様々な作業方法の改善を行い、無事故を継続してきました。
  • しかしながら、事故防止を徹底しても事故を完全に無くすことは困難です。そこで万が一に備え、作業員が高所作業中に宙吊りになった最悪の事態を想定し、短時間で救助できる方法を検討・準備(危機管理)しておく必要があると考えました。
  • 救助困難な箇所が無いか確認したところ、建物の構造上、管轄する消防署のはしご車では近づけない場所が2箇所あり、救助の長時間化が懸念されることがわかりました。
  • 短時間で救助できる方法や作業関係者が取るべき行動について、秩父市役所及び秩父消防署へ相談したところ、秩父消防署の大隊長と救助隊員の皆様が作業現場へ来訪され、
    ① 救助困難場所における宙吊り状態の救助方法を関係機関と検討すること
    ② 作業関係者が取るべき行動のアドバイスを頂戴すること
    を目的に、現場を視察していただきました。
  • 視察の結果、秩父消防署の大隊長から以下のとおりご教示いただき、当社で救助マニュアルを作成し、検証のため実際に救助訓練を行うことになりました。

当社でのマニュアルは、事故発見から救助隊受け入れまでの行動目標時間を15分と設定し、以下の図に示す項目を検討した上、作成しました。

作成に当たっては、秩父市役所からマニュアルの修正意見を頂きました。
また、消防署からは、市役所のドローンで「要救助者の表情」や「事故現場の状況」を撮影し、その状況を救助隊へ情報提供する等のアイデアを頂き、救助訓練に臨みました。

救助訓練は「ガラス清掃作業中、屋上からロープ降下する際に熱中症で意識を失い、数メートル落下し宙吊り状態になった」と想定し、要救助者に見立てた人形を使用し、事故発見から救助隊の受け入れまでを目標の15分以内で行うほか、救助隊到着後の救助訓練を行いました。

訓練模様

事故発見(要救助者人形(手作り))

119番通報

市役所管財課への連絡

救助車両の誘導

ドローンによる要救助者の空撮

ドローン送信機の映像確認

救助活動

訓練を終えて

訓練を終えて秩父消防署大隊長、秩父市役所管財課長からそれぞれコメントを頂きました。

【秩父消防署 大隊長】
「今回のような救助訓練の相談を企業から頂いたのは初めてです。最悪を想定しているところは素晴らしいと思います。社員を守るための安全に対する熱意が伝わってきました。」

【秩父市役所 管財課長】
「事故に対する対応、安全に対しての認識を新たにすることができて、とても有意義な訓練でした。」

取り組みによる成果として

  • 事故防止(リスク管理)から、一歩踏み込み、事故発生時の対応(危機管理)に取り組んだことで作業関係者の安全管理意識がより一層高まった。
  • 消防、市役所、協力会社を巻き込んで救助マニュアルを検討・作成し、訓練において目標時間内に救助できたことから、互いの救助連携方法や役割分担等が確立できた。
  • 救助マニュアルを制定することで、作業関係者が変更しても、継続的な危機管理対応が可能となった。

など、今後の安全確保のため有益な実績が得られたと思います。

ご覧になった皆さんの安全に対する取り組みの参考となれば幸いです。

今後とも日本メックスは「安全推進の基本」に基づき、事故の撲滅に取り組み、人命の安全確保とお客様の財産を守ってまいります。

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