コラム 技術者の眼 第6回
「日本メックスのDXの取組み・ドローン活用について」
2022年4月14日更新
今回は、DXの取組みの一環として、建設や施設の維持管理の現場におけるドローンの活用について紹介します。皆様のご理解を深められれば幸いです。
1.ドローンについて
最近、新聞やニュースでドローンの情報を目にする機会が増えています。海外ではドローンによる宅配事業や緊急時の薬品やコロナ検査検体の輸送にも使われています。国内では国土交通省のi-constructionなどで始まった、広大な土工現場でドローンによるレーザー3D測量で設計から竣工検査まで行うことを標準とする工事が増えています。
日本メックスでは広大な現場での施工管理や設備点検をドローンで行った事例がありますので、今回はその実施事例をご紹介致します。
2.日本メックスでの実施事例
(事例1)施工の進捗管理をドローンで行った事例
宮崎県の国富町にあった亀の甲ゴルフ倶楽部18ホール全面(敷地面積約50万㎡)に太陽光発電所を作る工事(設備容量33メガワット)が2015年4月から行われました。日本メックスはその最初の土工工事を請け負いました。その時に、毎月1回ドローンを飛ばして施工の進捗が分かる写真を撮ることにしました。
(使用したドローン)
高度250mから広角レンズを付けた1眼レフで撮影した多くの写真を1枚に合成できるソフトを活用して発注者に提供し好評を得ました。その後、太陽光パネルを敷設する工事でも継続し、2016年5月竣工しました。
(竣工時の写真)
(事例2)設備点検をドローンで行った事例
千葉市の蘇我スポーツ公園は広大な敷地(46万㎡)があり、その中にはジェフユナイテッド市原・千葉の本拠地であるサッカースタジアム(敷地面積約2.4万㎡)があります。
(蘇我スポーツ公園 スタジアム)
この公園の指定管理者の一員として日本メックスも入っており、2020年4月の契約更新時にドローンの活用も提案していました。2022年1月にそのサッカースタジアムの屋根とそれを支える鉄骨の劣化状況を専門会社に委託しドローンで撮影・点検しました。屋根の点検は東西南北の4つのブロックに分けて約50m上空から短時間で静止画と動画を撮影しました。ドローンは自動航行し画像も鮮明でした。鉄骨の劣化状況は15~25mの高度からマニュアルで飛行させてピンポイントでズームし、自動分割撮影(グリッド撮影)も行いました。またサーバーを経由して遠隔地の専門家から調査の指示を出せることも確認できました。
(鉄骨点検用ドローン)
写真は鉄骨点検用のドローンです。ドローンの上部にカメラがあって、上向きの調査がしやすい形にセットされています。
この機体が離陸して移動する動画も参考に御覧ください。
(動画:ドローンの離陸 飛行)
(調査時のドローン)
ドローンの課題の一つはバッテリー容量が小さく、飛行時間が短いところです。
事例1の時は飛行時間15分でしたので、とても忙しい状況でした。その後わずか数年後の今年の事例2では、飛行時間30分と倍になっていて余裕を持って調査できています。
また橋梁点検など長時間の調査が必要な場合には、発電機から給電しながら調査できるドローンが使われることもあります。
ドローンのカメラ性能や操作性も日々向上しており、小型のドローンを購入して直営で操作し設備点検などに日常的に活用することも試行的に行っています。
日本メックスはこれからもDXを推進し、建物のプロフェッショナルとして建物の長寿命化、お客様の資産価値向上に取組んでまいります。
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